医療用PHSと聞いた事がない人がほとんどかもしれませんが、総合病院など比較的大きな病院では医師や看護師、その他コメディカルが連絡を取り合う為に移動していても通話ができるPHSを携帯しています。

PHSと区別して私たちが現在使用している”携帯電話”は病院では使用禁止または、場所により部分的に許可しているというところが多いのですが携帯電話と似たような医療用PHSはなぜ許可されているのか?を今回説明していきます。

 

携帯電話とPHSの違い

医療用PHSというのは本当は存在しない!!と聞いたらえっ?と驚く医療従事者もいると思います。

じつは医療従事者が使っているPHSは一昔前に流行ったPHSとほぼ同じなのです。

 

PHSといえば昔の女子高生は”ピッチ”などといって一斉風靡したものですが、2018年現在、世に出回っている携帯電話と何が違うのでしょうか?

PHSと携帯電話の違いはwikiでもわかるように

PHSと概ね3.5Gまでの携帯電話の最大の違いは、一つの基地局がカバーするエリアの広さの違いである。概ね3.5Gまでの携帯電話は一つの基地局で半径数km以上をカバーしており「マクロセル」と呼ばれていたが、PHSは当初、半径100m以下 – 最大でも500m程度であり「マイクロセル」と呼ばれていた[注釈 1]。鉄塔の建設を行うなど、大掛かりな携帯電話の基地局に対して、PHSの基地局は、電柱や構内の天井や壁面等に小型の基地局装置を設置するだけなので工事が容易・低コストである。反面、基地局あたりのカバーエリアが狭いので多数の基地局を設置する必要がある。

 

要は電波強度が強くて広範囲のエリアの通信ができるのが携帯電話で電波強度が小さいのがPHSなのです。

 

ですので、なぜ病院などでPHSが使われているのかというと電波強度が低く医療機器に影響が少ないからなのです。

 

病院などでPHSを使っていても”携帯電話”で話していると勘違いされないようにわざわざ”医療用PHS”などと書かれたストラップをつけている病院もあります。

 

 

電波の強度とは?どのくらいで影響があるのか

PHSの電波強度が低くて、医療機器に影響がなさそうなのは何となくわかりますが問題はどの程度の強度で影響が表れるのか?です。

中でもよく議論されるのは心臓の動きを助けるペースメーカーなどの埋め込み式医療機器が携帯電話の電波で誤作動を起こすというものです。

 

こういった問題があるから病院では携帯電話の利用を制限しているという病院がある事は想像できるでしょう。

 

総務省では電波利用に関する指針で携帯電話などが医療機器に与える影響などを2000年から調査・研究しています。

 

平成23年に総務省が出している調査結果によれば、現在主に使われている第3世代の携帯電話が植え込み型医療機器(ペースメーカー等)に対して最大でも3cmの距離以下で何らかの影響があったと報告しています。

 

総務省ではそれまで携帯電話はペースメーカーなどから22㎝以上離して利用するように呼び掛けていました。

その理由は電波強度が強かった第2世代では最大で15㎝離した位置でペースメーカーが誤作動したので、15㎝に安全係数の√2をかけた値として22㎝を採用していたのです。

 

ですから、公共交通機関や人が集まる場所、医療機関では携帯電話の利用が制限されたのです。

 

しかし、現在は最大でも3㎝離せば影響がない事がわかっており、安全係数をかけても4.2cm程度です。

なぜ、15cmなのかと言うと世界の基準にが15㎝だから、それに同調したというわけです。

以下が総務省の公開している資料の一部です。

各種携帯電話やPHSの電波強度や植え込み式医療機器が誤作動を起こした時の距離が記されています。

グレーに塗られたところはすでに販売もサービスもしていない領域です。

もう販売も動作もしていない第2世代携帯電話ではバースト出力が800mwと飛びぬけて高いのがわかります。

現役のw-cdmaの800MHzで唯一実機に最長3cmで影響があったとわかります。

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第3世代の携帯電話ではほとんどが平均250mwの出力です。

なんとPHSに限ってはバースト出力でも80mw程度で平均にいったては10mw程度しかありません。

現行の携帯電話の1/25程度です。

 

やはりPHSが医療現場に利用されている理由が数値としてみると一目瞭然ですね。

 

 

その他の電磁波を出すもの

PHSや携帯電話が医療機器にとってそれほど影響がないという事がわかってきたところでその他の電磁波を出すものについてもおさらいしておきます。

ここでは病院にありそうで気になるものについてピックアップしました。

参考にしたのは臨床心臓病学教育研究会です。

wifi(winmaxも含む)

総務省の研究結果からもwifiの電波は特定小電力の10mwと低く、さらに影響も無いと判断されています。

一応総務省が平成15年にとりまとめているものを下記に記しておきます。

”無線LAN装置の電波が植込み型心臓ペースメーカ等へ及ぼす影響 の検討 ”

 

無線機

病院施設では災害時の連絡手段として、ハンディータイプの無線機を用意している施設もあります。

この無線機の出力は大丈夫なのでしょうか?

調べてみるとトランシーバーと言われる無線機とアマチュア無線用および商用無線用の商品がある事がわかりました。

トランシーバーなどと表記され売られているものは特定小電力無線機に分類され、送信出力が10mw以下とPHSと変わりません。

しかし、アマチュア無線機や商用無線は比較的送信出力が高いものがトレンドで、1Wから7Wとかなり送信出力が高いのが特徴です。

特にアンテナ付近には絶対近づいてはいけません。

 

院内で災害対策の為、無線ハンディー機を設置しているなら使用の際には注意が必要になります。

 

 

車のキーレスエントリー及びエンジン

調べてみると意外と車は電磁波を放っていると言う事がわかりました。

まずいのは車のエンジンとキーレスエントリーで鍵が開く瞬間や閉める瞬間などが、大きな電磁波がでるようです。

エンジンをスタートすると時にエンジンの覆いかぶさるような事はだめだそうです。

でもそんなシュチュエーションあるかな?と疑問も・・・

 

大きなモーターを使った工具

大きなモーターを使った工具類たとえば電動ドリルや電動ノコギリなどは注意が必要だそうです。

モーターは多くのノイズを飛ばし、電磁波を発生させるそうなんです。

 

その他、電子レンジやブルートゥース機器

電子レンジや最近流行りのブルートゥース機器の射出する電磁波もかなり微弱で、植え込み医療機器にはまったく影響がないようです。

 

植え込み医療機器に影響を及ぼすおそれのあるもののまとめ

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