透析患者の約8割程度が高血圧を合併していると言われています。

しかもその原因は容量依存性の高血圧、いわゆる体液量過剰が最も多い原因であるという報告があります。

そんな高血圧ですが除水をしているにも関わらず透析中から透析後半にかけて血圧が上昇する高血圧があります。

今回はそんな透析中から透析後半にかけて上昇する高血圧について考察しようと思います。

 

血圧とは?

まず血圧の因子は心臓の拍出量抹消血管抵抗が重要です。

透析中から血圧が上がる透析患者さんも例外でなく、このふたつの因子の内、二つないし一つが何らかの作用により変化して血圧が上昇していると考えられます。

 

除水をしているのに血圧上昇?

よく議論がされるのが、除水をしているのになぜ血圧が上昇するのか?です。

少し考えてみたいと思います。

除水をしているにも関わらず血圧が上昇すると言う事は、血圧を上昇させるほどの循環血液量の上昇、もしくは末梢血管抵抗の上昇、さらに心臓の拍出量が増えるといった事が同時多発的、もしくは単体で起こっている事は間違いありません。

本来、除水の程度にもよりますが除水を行うにつれて、循環血液量は低下し次第に血圧が下がってきます。

人間の体はそれを察知し、血圧を維持しようとする”ホメオスタシス”(恒常性)を発揮します。

それは循環血液量を下げないように血管外から水を引き込む”プラズマリフィリング”や心拍数をあげて拍出量をあげたり、末梢の血管を収縮させ末梢血管抵抗を上昇させたりと様々です。

 

しかし、この”ホメオスタシス”のバランスが崩れた時に除水をしているにも関わらず血圧が上昇すると言う事が起こるのです。

原因は様々ですが、基本的な機序は明白です。

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原因と対策について

上図のような機序で高血圧が発生しているのは明白ですので、それぞれの原因を探る必要があります。

まず一番多い原因はドライウェイトがあっていない、要は体液過剰の状態という原因です。

経験のあるかたもおられると思いますが、溢水の心不全状態の場合、除水とともにうっ血は解除され、なんと除水を始める前までは心不全で血圧が低いのに除水とともに血圧が上昇する場合があります。

それらと同様で、正しいドライウェイトを設定する事で透析中の高血圧は軽減される事がほとんです。

次に多いのは身体が除水や透析によるイオンや透析液に励起され、レニン-アンギオテンシン系などを介して交感神経系(α、β)が刺激を受け末梢血管の過度な収縮や心臓の拍出量UPにつながるという原因です。

この機序がよく分からないとされる主たるものです。

ブラッドボリューム計などで、循環血液量のモニタリングを行ったり心臓エコーなどで体液過剰でない事を確認し主にお薬で調節したりします。

たとえば末梢がしまっているのであれば、Ca拮抗薬やARBなどの降圧薬で前負荷を軽減させたり、β遮断薬で心拍数を抑えたりなどです。

いずれも循環器のDrと透析中の状態などを考慮する必要があります。

 

他にも、血液濃縮による血圧上昇や体外循環による血液の冷却による末梢血管抵抗の上昇など原因としてあげられる事がありますが、これらの事項はほとんど血圧に関与していない事がわかっています。

 

いずれにせよ、なぜ高血圧が発生しているのか?を状況から考察してそれぞれに見合わせた対処をする事が重要となります。

 

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