透析クリニックや透析室では積極的な外科処置はほとんど行わないと思いますが、ちょっとした傷の手当やカテーテルの位置調節などでドクターが縫合糸をかけ直したりする事もあるかと思います。

 

今回はそんな時に使う針や糸について簡単に説明しようと思います。

 

ナートってなんだ?

よく傷を縫う場面で、”ナートしよう”とか”ナートセット出して”なんていう事ありませんか?

ナートというのは感覚的に傷の縫合をさしていると何となく理解しているかたがおられると思いますがドイツ語の”Naht”が由来で、縫合・縫い目・つなぎなどという意味があります。

基本的には離開した皮膚を縫い合わせる事をさしている事がほとんどです。

 

針について

次は針について説明します。

病院での外科的な手術は悪い患部を外科的に除去するという単純明快な手技です。

それに伴い、組織や臓器を切ったり焼いたりするわけですが、正常な組織や臓器を元に戻さないといけません。

そんな時に正常な組織や臓器を糸と針で縫い合わせ元に戻します。

やはり臓器や組織は多様ですから、それらに合わせて針も複数存在します。

代表的な針は下図になります。

先端の形状によって用途が異なります。

先端が普通にいわいる”丸い針”なのが丸ばりと言われ、柔らかい臓器の縫合や膜、血管などの吻合に使われたりします。

デメリットは穿通能力に欠けるので硬い皮膚や臓器などでは針が通りにくかったりします。

それに対して角針は先端が逆三角になっていて穿通能力に優れています。要は針がスッと組織を通り易いというわけです。

 デメリットもあって柔らかい臓器や膜、血管などは組織が角針の鋭利な部分で裂けたりするので、そういった部分には不向きです。

よく使われる部位は皮膚など硬い部分になります。

 透析のシャント作成時も、最後の皮膚縫合は角針ですが、血管吻合は丸針を使います。

 

バネ針やバネ穴などという事にも触れておきます。

針は単体で梱包されているものと最初から糸が付いているものがあります。

最初からついているものは良いのですが、針単体のものは、糸を手動でつけなければなりません。

その付け方の種類がバネ穴式というので、その付け方をする針全体をバネ針やバネ穴と読んでいます。

こちらに、持針器、針、糸の掛け方がのっています。

 

糸について

糸も様々な種類と特徴があります。

まず大きな枠として、糸の形状分類があります。

糸の繊維が一本の単線でできているものを”モノフィラメント”といい、2本から複数の繊維で編み込まれたものをマルチフィラメントといいます。

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この2つの違いはモノフィラメントだと、釣り糸みたいにツルツルしていて、しなやかさに欠けるので結びにくいというデメリットがあります。

マルチフィラメントだと、しなやかで結び易いのですが、より糸なので繊維中に細菌が混入すれば増殖しやすいなどのデメリットがあります。

 

さらに素材による分類もあります。

大きく分けると吸収性の糸と、そうで無い物の2種存在します。

読んで字のごとく、吸収性の糸は時間の経過と共に糸が組織に吸収され無くなります。

 

透析施設やクリニックなどでは”けんし”や”ナイロン糸”をよく使うのではないでしょうか?

けんしとは絹糸のより糸になります。

一方ナイロン糸はモノフィラメントの代表選手みたいな存在で、どちらも安価であるのでどの施設にでも置いてあると思います。

 

縫合糸のサイズについて

縫合糸のサイズも様々なものが存在します。

透析室などでは1-0程度の太さが一般的です。

ちなみに2-0 3-0 と値が増えていくと細くなります。

1-0からは1号 2号 と値が増えていくと太くなります。ここらへんがややこしいですが・・・・

7-0が髪の毛の太さと言われています。

 

縫合の事を少ししっているだけで、ずいぶん見方も変わると思いますので、ぜひご参考になさってください。

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