透析を行っている施設ではカテーテルを用いたバスキュラーアクセスを使用した患者様もおられるはず。

そんな短期・長期留置カテーテルデバイスですが、やはり脱血が悪くなったり、静脈圧が高くなってくるいわゆる開存率が低下する場合があります。

そういった状況を防止する為にヘパリンやヘパリン化生理食塩水によってカテーテル内を充填させるヘパリンロックをしている施設は多いと思います。

 

しかし、ヘパリンロックをしていてもカテーテルの開存が悪化する場合があり、感覚的にヘパリンロックが効いているか?が疑問に思えてきたのでpubmedでヘパリンロックについて調べてみる事にしました。

 

pubmedで調べる語句は

”catheter” ”heparin”  ”Indwelling”  ”lock”

(カテーテル ヘパリン 留置 ロック)

上記で調べると125件ヒットしました。

 

その中で他施設間での大規模なRCTで信頼できそうな論文がありました。

Normal saline versus heparin solution to lock totally implanted venous access devices: Results from a multicenter randomized trial.

生理食塩水でのロック VS ヘパリンロック 静脈カテーテルの開存を調べたRCTです

 

結果は

生理食塩水でロック群を203人 ヘパリンロック群を212人 追跡調査の結果、生理食塩水でロック群とヘパリンでロック群の間で閉塞リスクの危険度に有意差がない事が示されています。

また閉塞リスクは5%前後発生するとしています。

 

 

さらに面白い論文を発見

Prevention of dialysis catheter malfunction with recombinant tissue plasminogen activator.

カナダ・カルガリー大学のBrenda R. Hemmelgarn氏ら「PreCLOT」研究グループが、多施設共同無作為化盲検比較試験を行い明らかにした内容

ヘパリンロック群 VS t-PAでロック群

週3回の血液透析を受けている被験者225例を、被験者がブラッドアクセスを新規のものとした際に、週3回ともヘパリンロック(5000 U/mL)を行う群(ヘパリン群115例)と、週3回のうち2回目はrt-PAロック(各カテーテル内腔に 1 mg)を行う(1、3回目はヘパリン)群(rt-PA群110例)とに、無作為に割り付け追跡した

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結果はなんと

ヘパリンのみだと、カテーテル機能不全発生はほぼ2倍、菌血症発生はほぼ3倍高い事が判明・・・

 

上記2つの論文は大規模でしかも他施設間のRCTなので結構信頼できそうです。

さらにメタ解析などを行えば最高に信頼できそうですね。

 

この2つの論文より、

ヘパロックによるカテーテル機能不全を防ぐ効果は生理食塩水によるロックとほぼ同等!!

しかも3回に一度はt-PAにてロックを行えば菌血症やカテーテルの機能不全を1/2から1/3程度に抑える事ができると言う事です。

でも日本に発売されているt-PA製剤は高価で、40万単位で5万円ほどします・・・

もうけは吹っ飛びますのでウロキナーゼなどが選択肢にどうしても入る事になりますね。

でもt-PAは血栓に選択的に効果があるのに対してウロキナーゼは血流にのり全身に効果を発現させる為、t-PAよりリスキーなんですよね。

 

できる事なら使いたくはありません。

 

しかし勉強になりました。

 

 

 

 

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