透析施行中、血液の脱血が悪くなるとピローの膨らみが低下したり、静脈圧下限警報が鳴ったり、透析回路が脈うつように動く、いわいうる”しゃくり”や”ハネる”状態になり気付く事があります。

原理的に考えてみるとピローの膨らみや静脈圧の低下は脱血状況が悪くなると悪化すると言うのは簡単に理解できます。

しかし透析回路のほうはなぜあのように回路が動くようになるのでしょうか?

じつは解説しているサイトや書籍はゼロなので今回は脱血不良時の回路の動きについて解説します。

 

透析血液ポンプの動作

透析で使用されている血液ポンプは種類でいうと”ローラーポンプ”といいます。

もっと正式にいうと容量式ポンプと言ったりもします。

 原理は図にあるようにチューブをシゴクためのポンプヘッドが回転してチューブを一定方向に潰しながら移動する事で、血液を移動させます。

 ローラーポンプがチューブの元に戻ろうとする力によって吸引圧をかけて流体を吸い込み、送りだすというのが特徴です。

 

ですので、チューブが元に戻ろうとする力がうしなわれば流量も変化します。

 

透析で使用されているローラーポンプはローラーヘッドが2つついているものが主流となります。

 

ローラーポンプは定常流

そんな透析装置に使われているローラーポンプですが、特徴に一定の流量を送れる定常流ポンプだ!!と言われる事があります。

ながく透析室におられるかたは、え?ほんとに定常流なの?

静脈圧チャンバーの血液の流れを見ていたら、一定の流量には見えないけど???

と思われるかたもいると思います。

 

そうなんです、じつはローラーポンプは定常流ポンプと言われていますがが、ポンプヘッドの回転数によって微量な流量変動があります。

ヘッドの回転数があがればその流量変動の間隔が短くなり、透析ポンプのように比較的ゆっくり回すと脈流のようになるのです。

 

透析回路の動きと脈流

回路の動きと脈流はかなり関係しています。

回路に血液が一定流量で流れて急に減速したり、逆に早く流れると血液の重さと重力加速度からエネルギーの損失が生まれます。

そのせいで血液回路はぴょんぴょんうごくのです。

 

もっとわかりやすく言うとエレベーターに乗っていて、エレベーターが急発進したり急停止するとグッと膝や腰に重力を感じますね?

それと同じように血液と回路にも速度が変化する際に力が働いているのです。

 

ポンプはなぜ脈流を発生するのか?

ローラープンプは上図のような構造をしています。

下図が模式図になります。

上図のようにローラーが移動してチューブをシゴいて血液を吐出します。

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シゴいていくとポンプヘッドの進攻方向ではもちろん陽圧になり、ポンプヘッドより手前はまチューブの反発力が飽和するまで陰圧となります。

 

透析で使用する血液ポンプでは、ローラーヘッドが2つ付いていますので、下図のようになります。

ヘッド1がチューブをシゴいたあとにヘッド2がやってきます。

ポンプの回転速度が十分早いと、チューブの反発力(元に戻ろうとする力)が飽和する前に次のヘッド2がチューブを圧排するので、ヘッド間は陰圧を保ったまま移動していきます。

ローラーヘッド1がチューブから離れると保たれたいた陰圧部が解放されて、今までヘッドに押されて陽圧(血液を送り出していた)だっと部分と繋がることによって、血液流量が一時的に停滞、もしくは一瞬バックフローが発生するのです。

これが血液ポンプでの脈流発生のメカニズムになります。

 

 上記原理ですので、脱血が悪くなるとヘッド間の陰圧強度が高くなるので、バックフローの強さも大きくなり回路が大きく揺さぶられるようになるというわけなのです。

 

原因と因果関係を知っておくというのは透析スペシャリストとして重要なことですので参考になさってください。

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